斉昭公のお誕生日。
昭武公が明治天皇を花見にお招きしあんぱんを献上した日。
水戸の桜に関わり深い4月4日。初の夜桜の会を開催しました。
ちょっと肌寒かったのですが、夜桜見物からスタート。
千波湖の美しいライトアップを遠近で眺めつつ、跨線橋を上って、閉園前の偕楽園へ。
そこには息を呑むようなライトアップされた「左近の桜」が。
先日FMで私が言いきってしまった”水戸で一番美しい桜”
煌々とした灯りの下の、様々な匂いの混じる桜山の花見とは一線を画する、静かな幽玄の、水戸の夜桜。これこそ光圀公好み。
皆さんにその美しさを分かっていただけました。
そして、
「とう粋庵」さんでの素晴らしいお食事。
まず、準備で早乗り込みした時、店内の設えの見事さに、驚愕。
金屏風前に大きなソメイの生け花。
「もし、雨で夜桜がみられなかったら、みなさま残念でしょう?」というオーナー上田さんの素晴らしすぎるご配慮。
そして対面には芸大出身龍ヶ崎在住の日本画家・篠原ゆみこさんの一曲の夜桜の屏風。抑えられた照明に妖しく美しく浮かぶ夜桜の絵。
プロの照明演出・桜にまつわるBGM。
そして何より美しく・美味しい料理。
箸置にも器にも桜、乾杯の杯には一ひらの桜。今宵のお題にまつわる光圀公ゆかりのお料理や、桜があしらわれた、季節にちなんだ数々のお料理。
本当に感動しました。
私の「白櫻金樽」、水戸と桜にまつわるお話やクイズなどでお楽しみいただいたあと・・・
宴の終わりに芸大大学院修了の琴古流大師範・横田鈴琥師の尺八演奏。
森山直太郎の「さくら」そして尺八の名曲「鹿の遠音」、レクチャーも丁寧にしていただきました。
幽玄の世界に皆様惹き込まれて、深い感動と余韻をのこして終宴となりました。
光圀公の夜桜之宴、楽しんでいただけたなら、本望です。
定員を超える、参加者43名の皆様、ご参加ありがとうございました。
お着物をお召しの女性が沢山いらっしゃったのもまた、この宴の花でございました。
そして準備や裏方に徹していただいた皆様のおかげで、素晴らしい宴となりました。深謝です。
今年ご参加いただけなかった皆さま来年は是非!
・・・
最後に会の副題「白櫻金樽」の由来、光圀公の夜桜の漢詩を。
五言絶句
白櫻樹下倒金尊(白櫻の樹の下で、酒樽を倒すほど酒を呑もう)
天為尊兮地為席(天を幕とし地を席とする、野外の宴だ)
惜花終夜移灯看(散りゆく花を惜しみ、夜通し灯を灯して桜をながめた)
不知東方既将白(気が付けば東の空はもう白んでいるではないか)
七言律詩
有花有酒両相宜(花あり酒あり、どちらもあって誠に結構)
酒巳闌時花亦奇(酒がうまければ、花も美しい)
此日看花添酒興(この日の花見で、ますます酒がうまい)
今春銜酒問花期(季節は春、酒を飲みながら、花に様子を問う)
花如珠也酒如蜜(花は宝玉のように、酒は蜜のように)
酒入杯兮花入詩(酒は杯に入り、花は詩に入る)
一世愛花還愛酒(一生、花を愛して、酒を愛する)
花之与酒我生涯(花と酒と、これこそ私の人生だ)